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今月の園だよりから
2019年度

青山学院幼稚園からの「園だより」をお届けします。

2月のおたより

園長より

 NHKの子ども番組「オトッペ」のエンディングソング「チャラ・ザ・ワールド」の歌詞が、『聖書教育』という教会学校のテキストで紹介されていました。私も早速聞いてみると「気にしすぎると、大人になっちゃうよ」「チャラにしましょう チャラチャラ ラーメン」という、とても気になるフレーズがテンポよく繰り返されています。「オードローズ」というユニットが歌うだけあって、踊りたくなるような曲です。
 「気にしすぎると大人になっちゃうよ」。大人は、自分のことや周囲のこと、世界のことや未来のことと、様々なことを考えて行動しなくてはなりません。失敗や間違いを簡単にチャラにしましょうではすみません。細部にまで気を配り予見しておくことが、おもてなしや思いやりのある、立派な大人の姿だと称賛されることが多いからです。しかし、子どもはそんなことまで、気を遣わなくてもいいんだよ、失敗しても間違っても大丈夫だよと歌っています。そういわれたら、子どもは楽しくなりますね。本当にそれでいいんです。慌てて大人になることはありません。そして、大人も「一日の苦労は、その日一日にだけで十分である」とのイエス様の言葉に耳を傾け、重荷を降ろすことができたらと願います。
 「だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。」マタイによる福音書6章34節

1月のおたより

園長より

 新年あけましておめでとうございます。この年も皆様の上に神様のお守りと祝福が豊かにありますようにお祈りいたします。
 「這え笑え二つになるぞ今朝からは」この小林一茶の句からは、新年を迎え数え年で2歳になった子どもを喜び慈しむ姿と、健やかな成長を願う親の気持ちが伝わってきます。子どもが初めて笑った時に家族にもたらした喜び、歩けるようになった時の感動、子どもは成長する度に喜びをもたらしてくれます。そして子どもは、家族の称賛の声と笑顔に包まれて成長してきました。
 園児は今も日々成長しています。先月のクリスマス礼拝では、年少の子どもたちが、1時間近く決められた席に座って礼拝を守りました。4月の入園式のころとは見違えるほどの成長です。子どもたちは毎日成長しているのですが、毎日見ている者の目からは、遅々とした歩みに見えてしまうこともあります。這えば立て立てば歩めの親心は昔も今も変わりません。子どもの背中を後押しするつもりが、過重な負担をかけてしまったり、称賛すべき事柄を叱責に変えてしまったりすることもあるのです。進む速さは一人ひとり違います。けれども、体も心も間違いなく成長しています。大丈夫です。
 「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。 そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。」フィリピの信徒への手紙4章6-7節

12月のおたより

園長より

 幼稚園の12月は何と言ってもクリスマスです。クリスマスツリーやリース、アドヴェントカレンダーなどの飾りが、クリスマスを迎える気持ちを高揚させてくれます。アドヴェント礼拝やクリスマス礼拝が守られ主イエス・キリストのご降誕をお祝いする楽しい時を過ごします。
 子どもにとってクリスマスは、プレゼントをいただくことが一番の楽しみかもしれません。保護者の皆様はプレゼントを何にしようか、どんな風にあげようかと頭を悩ませるでしょうが、これも楽しい時です。聖書には「受けるよりは与える方が幸いである」と記されています。子どもの喜ぶ姿を思い描きながらプレゼントを用意することは、幸せなことです。そして、子どもたちも、自分ができるプレゼントを誰かにあげることができたら、神様が喜ばれる素敵なクリスマスになることでしょう。子どもの姿を見るだけで、声を聞くだけで喜んでくださる人がたくさんおられます。子どもは、人に笑顔と安らぎ、希望と元気を与える力を持っています。
「あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、また、主イエス御自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。」 使徒言行録 20章 35節

11月のおたより

園長より

 ラグビーワールドカップが日本で開催され盛り上がっていますが、幼稚園の運動会でもキックオフやトライ、幼稚園ハカも登場しました。ラグビーは初等部から大学まで長い伝統があり、青山学院を代表するスポーツです。試合が終われば敵味方なく仲間になるノーサイドの精神や、試合中は選手に任せて監督はスタンドから見守るルール、審判に従うことなど、ラグビーは大変教育的なスポーツです。そして、キリスト教の教えにもかなっています。
 幼稚園の運動会と遠足は幸いにも天候にも恵まれて楽しい時を過ごすことができました。本当に感謝です。しかし、時を前後して台風や大雨によって、多くの被害がもたらされました。亡くなられた方やご家族、被害に遭われた方を思うと心がつぶれます。喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣き、祈り支え合う者でありたいと願います。
 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」ローマの信徒への手紙12章15節

10月のおたより

園長より

 教職員会議で毎回、各学年からの報告があります。先日の会で、年少では、個人の遊びから友だちとも一緒に遊べるようになってきたが、それに伴って、物の取り合いなども起きてきたことが報告され、年中では、友人とのかかわりが増えるにつれ、お互いに言葉で気持ちを表現することが不十分で、保育者による仲立ちの必要性が語られました。そして年長では、グループの活動や全体のことを考えて、他の人の分も手伝ってあげられていることが報告されました。子どもは、日を重ねるごとに成長していることを感じます。人は、依存する幼児期から自立に向かい、自立した者同士が相互依存していくと言われますが、幼稚園の中にもその成長過程がうかがえます。言葉で意思を伝えることの困難さは、子どもだけの問題ではありません。子どもの成長と共に、自分自身の成長を問われます。
 秋の諸行事を通して、子どもたちが一層成長する姿を見守り、支えて参りたいと思います。
 「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。」コリントの信徒への手紙一3:6

9月のおたより

園長より

 今年も暑い日が続きましたが、朝晩の風や夕暮れの早さに秋の気配を感じる頃となりました。長い夏休みを過ごして、幼稚園の始まりを楽しみにしているお子さんも多いかと思います。そして園児以上に新学期を待ち遠しく思われているのは保護者の皆様ではないでしょうか。ご家庭で一緒に過ごす長い時間は貴重な時ですが、心も体も消耗いたします。お疲れ様でした、ありがとうございました。
 先日、「令和の目標は何ですか」と問われた子どもが、「戦争のない世界」と話している場面をテレビで観ました。本当にそうだと思います。「令和」は万葉集の序文からとられたとのことですが、聖書には、「わたしがあなたに与える命令は、平和」(イザヤ書60章17節)という言葉があります。神様が私たちに与える命令は平和です。平和な世界を作りなさいとの命令を守り、実行する「令和」の時代であるようにと願います。
 「平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」マタイによる福音書5章9節

7月のおたより

園長より

 桜が散ってしまわないかと心配しながら入園式を迎えてから3ヵ月が過ぎ、もうすぐ夏休みを迎えます。それぞれ幼稚園での新しい生活に慣れて、楽しく過ごせているかと思います。先日の「こどもフェスタ」でも、本当に楽しそうに飛び跳ねている子どもたちの姿に私も嬉しくなります。多くの準備をしてくださった皆様に心より感謝いたします。ありがとうございました。
 青山学院幼稚園はキリスト教教育を目指し、遊びを通して成長することを保育の中心に据えていますが、先日の保護者講演会での松浦先生のお子様のエピソードは、子どもにとって遊びとは何かを考えさられました。松浦先生のご家族が、初めてディズニーランドに行ったにもかかわらず、しばらくすると僕たちは遊んでないからもう帰ろうと言ったそうです。既成の遊具で、ベルトコンベヤーのように運ばれて楽しい体験をさせてくれる遊びは、主体的に想像力を使い自由に創造する遊びとは異なる物であると気付かされました。夏休みに、じっくり楽しく遊ぶという大切な学びの時を過ごしていただきたいと思います。自然は、神様からのメッセージに満ちているもう一つの聖書です。
 「世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現わされており、これを通して神を知ることができます。」ローマの信徒への手紙1章20節

6月のおたより

園長より

 先日、町田市にある日本聾話学校を訪れる機会がありました。日本聾話学校は、日本で唯一のキリスト教精神に基づく手話を使わない私立の聾学校です。
 難聴の子どもたちが持っているわずかな聴覚を補聴器や人工耳をできる限り効果的に使って、音と言葉を獲得する支援を行っています。難聴の子どもにとって、音と言葉の区別は困難です。しかし、家族の愛情に満ちた言葉かけとお世話を続けていくと、他の音とは違う私に語り掛ける「言葉」の存在に気づきます。そしてその言葉を聞こうとします。やがて、自ら声を発するようになり、意思や心を通わせる言葉を獲得していくのだそうです。難聴の子どもが初めて言葉を獲得して母親に発する時、それは、まさに言葉に言い表せない喜びと感動に包まれる時です。
 日頃、当たり前に聞いたり話したりしている自分は、本当に聞こうとしているのか、心を通わせる話をしているのかを問われる時でした。
 「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」ヨハネによる福音書1章1節

5月のおたより

園長より

 今年は、即位の日が休日となったので、10日間の長いお休みとなりました。ご家族でそれぞれのご計画がおありでしょう。ゆったり楽しい時を過ごせたらと思います。
 年少のお子様は、幼稚園の新しい生活で緊張する場面も多かったと思います。しばらく、ご家族で穏やかに過ごされて、また新たな力を蓄えて幼稚園に通っていただけたらと思います。
 子どもの成長は一直線ではありません。成功と失敗を繰り返し、行きつ戻りつしながらではありますが、確実に成長していきます。成長を支える大人にとって大切なことは、成功したときに一緒に喜んであげること、失敗したときに一緒に悲しんであげることではないでしょうか。どんなときも自分を受けいれて、大切に守ってくれるという安心感。それが、子どもにとって、何よりの励ましと慰めとなり、新たな一歩を踏み出す力になるのだと思います。
 神様、子どもたちが、日々神様のお守りの中に過ごせますことを感謝いたします。 子どもたちを慈しみ大切にして下さり、
支えて下さっているご家族の皆様に感謝いたします。 皆様に祝福が豊かにありますように。 主の名によってお祈りいたします。 アーメン。
 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」ローマの信徒への手紙12章 15節

4月のおたより

園長より

 青山学院幼稚園の新年度が始まりました。幼稚園が始まるのを指折り数えて待っておられた園児とご家族の皆様もいらっしゃったと思いますが、不安と緊張の日々を過ごしておられる方もいらっしゃることでしょう。初めてのことは、どなたにとっても知らないことばかりですから、不安はつきものです。緊張するのが当たり前です。混んだ電車や人通りの多い道を幼い子どもと一緒にたくさんの荷物を持って通うのは、誰にとっても神経と体力をすり減らす大変な仕事です。慣れるにはしばらく時間がかかるかもしれませんが、子どもの安全を考えると、緊張感を持ち続けていただくことは大事なことです。他のお子さんとの違いも気になるかもしれません。けれども、大丈夫です。人それぞれ違いがありますが、子どもは、間違いなく成長します。ご安心ください。
 朝を迎えるごとに、与えられた今日という日を感謝して、与えられた食事を感謝して、ご家族に感謝して喜んでください。神様ありがとうございますというお祈りから、一日が始められたなら、青山学院の園児として健やかに成長し、守られると信じます。私たちも、園児のためご家族のためにお祈りしています。
 神様、この一年の始まりを感謝いたします。園児の一人ひとりをお守りください。支えておられるご家族に感謝いたします。皆様をお守りください。卒園した園児たちをお守りください。主の名によってお祈りいたします。アーメン。
 「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」 テサロニケの信徒への手紙一5:16~18